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はじめに
今回は、サンバーバンがエンジンを始動させた時や、エアコンをONした時に「キュルキュル」と音が鳴る症状が発生しました。原因はファンベルトの緩みなどから発生する異音と予想されます。
基本的にベルトは緩い時にキュルキュル鳴きます。張りすぎの場合はコーッとかゴーッという音がします。
また、走行距離が多い場合は、ベルトプーリーが消耗してしまって音が出る場合があります。ベルトが新品で張りが適正でも音が出ますのでプーリーも交換となります。
早速、作業方法をご紹介、解説していきます。よろしくお願いいたします。
▼作業した車両はこちら
平成19年製(2007年)スバルサンバーディアスバン(TV2) AT 4WD
作業手順
ファンベルトの調整といっても、難しいことはなく、サンバーバンの場合は簡単に行えます。
荷室側の点検扉を外し、オルタネーターを固定しているボルトを緩めて、プライバー(コジ棒)で持ち上げ、緩めたボルトを締めます。
①荷室の点検窓を開ける
スバルが自社生産していたサンバーはエンジンが車体の後ろ側にあり、点検窓も荷室側にあります。
1961年~ ※自社生産としては2012年3月まで。同年4月以降はダイハツOEMとなります。
②オルタネーターの位置を確認
外側からバックドアを開けて、点検窓をプラスドライバーで開けたら右側にあります。
これがファンベルトになります。このベルトの張り調整をしていきます。
下の写真のようにボルトを緩めると上下にスライドできるようになっております。
上に行くほど張りが強くなり、高さを調節することで、ファンベルトの張り調整ができます。
ボルトを緩める前に12㎜ボルトの外周にそって、マジックペンで印を付けました。
作業前に印をつけて、印よりも上に持ち上げて調整していきます。高さ調整しやすくするための目安となり、作業に慣れていない初めての方は、どれくらいオルタネーターを持ち上げて調整したらよいか分かりにくいので、この方法はオススメです。
私の場合、印から約3㎜程度持ち上げて調整後、試運転をして若干キュルキュル音が残ったので、再度もう1~2㎜(合計で約5㎜)程持ち上げたらキュルキュル音は消えました。
③オルタネーターが固定されているボルト2か所を、ロングメガネレンチ(ストレート)12×10㎜で緩めます。
▼2か所目:スライド側のボルト
同じく時計回りで緩める。
③プライバーを使ってオルタネーターを持ち上げる
プライバー60cmを使用して写真のようにオルタネーターの下に差し込みます。
オルタネーターを持ち上げながら最初に付けた印より数ミリ上に持ち上げて
丁度良い位置に調整していきます。
④ボルトを締める
プライバーでオルタネーターを、テコの力で持ち上げてスライドさせて、そのままの高さをキープしながらボルトを付けます。
残りのボルト、支点側のボルトも取り付けます。
これでオルタネーターにかかっているファンベルトのテンションを高めることができます。
本締め
最後の仕上げに本締めしていきます。
トルクレンチをお持ちの方は下記の通りに本締めしてください。
・支点側のボルトの規定トルクは25Nm。
・スライドする側の調整ボルトは19Nm。
▼使用したトルクレンチ(デジタル式)SK11デジタルトルクレンチ 差込角9.5㎜ 対応トルク3~60Nm
ポイント
張りすぎるとオルタネーターの中のベアリングの異音の原因になります。
大事なのはキンキンカンカンに張りすぎないことです。
デジタル式のトルクレンチを使用すれば、簡単で確実に、素人でもプロ並みのトルク管理できるようになり、DIYの幅がグッと広がります。
エンジン回りの狭い場所などでの作業はコンパクトで取り回しの良い、3~60Nm対応のSK11デジタルトルクレンチを使用しています。
タイヤ交換など、大きな力が必要な場合は、下記リンクの40~200Nm対応のエマーソン トルクレンチを使用しています。使い分けると作業しやすいです。
関連記事
▼エマーソントルクレンチ(対応トルク範囲40~200Nm)
▼SK11デジタルトルクレンチ(対応トルク範囲3~60Nm)
まとめ
自社生産時代のサンバーの張り調整は、古い車ならではの簡単なメンテナンスとなります。オートテンショナーとなるとこうはいきません。
エンジンを始動させた直後や、エアコンを作動させた時に、キュルキュル音がしたら、ファンベルトが緩んでいる可能性があります。ファンベルトの張り調整は簡単にできるので挑戦みてはいかかでしょうか。
気になった方はチェックしてみてください^^
追記
ファンベルト部分のリコール情報▶リコールの情報
リコール対象車の製作期間は1999年1月20日~2008年2月27日計62万2348台が対象になります。
クランクプーリーに分離しやすい部品が混ざっているそうです。振動防止にクランクプーリーは中心部とプーリー部分の
間にゴムが挟まっているが、問題点はゴムが剥がれて空回りやプーリー脱落が発生するというものです。
この不具合で「キュルキュル音」が発生している場合もございます。
以上になります。少しでもサンバー乗りの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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